「生計を立てる」という意味を法律上で考えるとどうなる?

「生計を立てる」という言葉を、私たちは日常的によく使っています。

ここでいう生計というのは、生きていくための方法や手段、あるいは暮らしていくためのお金そのもののことを指しています。

サラリーマンとして会社勤めをしたり、自由業や自営業で利益を得たり、あるいは投資や家賃収入で稼ぐなど、その方法にはさまざまなものがあります。そのお金を生活費として暮らしていくことを「生計を立てる」といいます。

どのような家庭でもかならず生計を立てているので、みなさんにとってもなじみ深い言葉だと思います。

ただし、この「生計」という言葉が法律上で用いられると、少し意味合いが変わってきます。

たとえば、みなさんも納税のさいなどに「生計を一にする」といった文章を見かけたことがあるのではないでしょうか。

この生計を一にするというのは、いったいどういう意味なのでしょう。

一にするというのは、同じであるということです。つまり、同じ生活費で暮らしている、ということになります。

ようするに、家族のことを指しているのだと考える人も多いでしょう。もちろん、ほとんどの家族はこのケースに当てはまることになります。

しかし、法律上では家族であるかどうかは、生計についてはあまり関係がありません。

もっとも重要なポイントは、同じ財源で家計を支えているかどうか、ということのなです。

たとえば、父親が単身赴任をしていたり、子供が遠方の学校に通っている場合はどうでしょうか。あるいは、家族が療養所や老人ホームなどの施設に入所しているといったケースもよくあると思います。

もちろん、離れて暮らしているからといって家族であることに変わりはありません。

しかし、家を離れている家族が自立して経済活動を行っていた場合には、法律的には「生計を一にする」とはいえないのです。一方、子供や父母が仕送りを受けて暮らしている場合などには、生活費が同じ財源になるので、生計も同じということになるのです。

では、その逆に同じ家に暮らしているにもかかわらず、生活費をそれぞれ独自にまかなっているケースはどうなるのでしょうか。この場合はやはり、生計が同じであるとはいえなくなるのです。

このように、法律上では「生計を立てる」ということは、あくまで経済活動をポイントに考えられています。特に納税などでは重要な条件になることも多いので、よくおぼえておきましょう。